〜ペットショップ・オブ・ホラーズ舞台写真*第3話A*〜
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「狙いは何です?私に対する個人的な 恨みなら、直接私を襲えば いいでしょうに、 関係のない子供まで…」 自分が目的だと思っていたDに ソニアは言う。 「そいつはあの刑事の弟だろ? あんたも奴のダチだろう?」 レオンの目の前で、レオンが愛する 人間を殺してやる、と、復讐心を 燃やすソニア。 |
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ソニアの復讐心に対して反論するD。 「それでは、ラルに殺された善良な 市民の悲しみや怒りはどこにぶつけたら いいんです。あなたに殺される 私たちの仇は、誰がとってくれるんです」 「…うるさい!」 ソニアがDを撃つ。 胸を撃たれ、倒れるD。 |
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「人間は憎みあい、殺し合い、滅ぼしあう種族なのです」 |
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Dを守ろうとソニアの前に 立ちふさがった クリスも殴られ、気を失う。 「あいつが悪いんだ。 みんなあの刑事のせいだ!!」 ソニアがクリスをも撃とうとした そのとき、 ソニアの頭の中に「声」が響く。 「人間」に対する恨みのこもった、 不気味な声。 ―――それは、 Dの持つ力によるもの。 |
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ソニアが「声」の恐怖に気を失うと、 どこからともなくDに助けを求める声が 聞こえてくる。 ソニアの中から小さく響く、儚い声。 Dが声に気づき、思ったこと、それは… 「私が手をのばし、救い上げ、 離さなければ…」 救える「命」。 |
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レオンがポンとトッちゃんを連れて 救出に現れる。 レオンはソニアの手をとり、 自分を撃て、と言う。 Dがソニアに言う。 「およしなさい。生まれてくる子供に、 母親が人殺しだなんて誰が 告げるのです」 死んだラルとの子供のため、ソニアは 思い止まり、連行されていく。 |
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クリスがスルタナに別れを言いに訪れる。 ペットショップに残りたい、と言うクリスを 戒めながらも、何かを拭いきれないD。 スルタナがDの迷いを見透かし、語る。 「人間はそれ自体が悪ではなく、 その中に等しく善と悪とがあります」 Dが自分自身に語りかけるように言う。 「…それでも私にはわからない。 どうすれば人間を愛せるか…」 |
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「時がすぎるうちに忘れる。 一番大切なことは、結構簡単なことさ…」 |
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クリスとの別れの日。 クリスはDに一枚の画用紙を渡す。 クリスが描いた、皆の絵だった。 |
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Dが強い悪意を感じてレオンに もたれかかった瞬間、 銃声がなり、レオンが倒れる。 ソニアとはまた違った、 もうひとつの、 レオンを狙ったものだった。 |
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気を失ったレオンは夢を見る。 母親の夢。 高校3年の時、クリスがお腹の中に いるときの夢だった。 そこには、母親と少年時代の レオンがいた。 |
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少年のレオンがぶっきらぼうに言う。 「恥ずかしいよ。高3にもなって 弟が出来たなんて…」 本心ではない言葉を言って しまっていた、記憶。 「今」のレオンが言う。 「本当は、赤ん坊が生まれたら母さんに 言ってあげたかったんだ… おめでとう、って」 |
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「母さん、クリスを産んでくれて ありがとう…」 レオンが言うと、母親が振り返って 微笑む。 「レオン、クリスをよろしくね。 それから、友達は大切にね…」 |
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「母さん!!」 レオンが目を覚ますと、Dとクリスが 傍にいた。 「死にそびれたか…」 「何を言ってるんです! かすり傷ですよ!」 Dがレオンを叱り飛ばす。 犯人も連行された後だった。 |
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レオンがクリスを叱る。 「医者の力なんか頼るんじゃねえ! 男なら自分の力で乗り越えろ!! …問題はいろいろあるけど、 難しいことは、後で 考えよう…?」 「ごめんなさい、お兄ちゃん!!」 クリスが「声」を取り戻した。 |
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レオンとクリスのの背中を後に、 ゆっくりとDが去っていく。 スルタナが現れる。 しかし、声を取り戻したクリスには もう「おばあちゃん」の姿には 見えていない。 「…カラス…?」 仲良く手をつなぐ二人の姿を見て スルタナが微笑む。 |
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