第4回公演 Petshop of Horrors〜Dead to the world〜 舞台写真
L,Aチャイナタウンの雑踏。 ここは、チャイナタウン。 世界のありとあらゆる不思議の棲む魔都 ――― 「D伯爵」のペットショップの扉が開く。 「いらっしゃいませ。D伯爵のペットショップへようこそ。 ここではあなたのご要望にお応えする、 ありとあらゆる動物を取り揃えています。 …あなたのお望みは、何ですか…」 |
|
傷ついた少年と、一人の刑事、「レオン」が出会う。 |
|
少年の前に中国人の青年、「D」が現れる。 少年、「天」は、4000年を生きる妖狐。 少年を見て微笑み、誘うD。 「何もんなんだ、あんた…」 |
|
「あなたには、まだ翼は与えられていません。 …刑事さんは、ここまでです…」 「D!!」 「D伯爵」と、「レオン」の決別。 「人間を憎む存在」と、「人間」の決別。 哀しげに微笑んだDを見て、天がいぶかしむ。 「伯爵、あんたは人間が嫌いなんじゃ なかったのか…?」 |
|
Dを追いかけることができないレオン。 自分のせいで失ってしまった「あの人」の想い出が、 彼を何かに縛り付ける。 「一緒に思い出そう、誰と出会い、何を望み、 …そして、 何に縛られているのか……」 天がレオンを過去の夢の中へと誘う。 |
|
レオンが目覚めると、そこはロスの街中。 同僚のジルが迎えにきていた。 「刑事が道端でボサっとしないの!」 二人の背後には、テニスのラケットと スケッチブックを持った少女。 少女の名は、キャサリン。 二人が去ったあと、キャサリンはつぶやく。 「あ、ブランカのお散歩の時間だ!」 |
|
キャサリンの母親は、 世界的に有名なテニスプレイヤーだった 「スージー・グラハム」。 元気のないキャサリンを見て、スージーが励ます。 「あなたには、私とパパの血が流れているのよ、大丈夫よ」 「…はい、がんばります」 母子の間で少しずつ絡まってゆく、「想い」の糸。 |
|
キャサリンがグラハム家のペット、犬の「ブランカ」を連れて チャイナタウンのD伯爵のペットショップを訪れる。 「ブランカがこのごろ元気なくって…わかりますか?」 「ええ。数日、お預かりしてもよろしいですか?」 Dがブランカと見つめあい、微笑む。 |
|
自分と母以外にはなつかないブランカが、 ひと目でDになつくのを見て驚くキャサリン。 「じゃあ、お願いします」 「いつでも顔を見にきていただいて、結構ですよ」 |
|
キャサリンと入れ違いに、レオンがペットショップに現れる。 天を見てレオンが言う。 「なんだこいつ?こんなヤツいたか?」 「天ちゃんには、お店のお手伝いをしてもらっています」 「人間嫌いのオマエが、珍しいな」 すれ違ったキャサリンがスージーの娘だと聞き、 喜ぶレオン。 |
|
ブランカが、Dにグラハム一家のことを語る。 一流でいようとする母親と、 一流でいられない父親。 一流の両親の間に生まれながら、 テニスの「才能」がない娘。 すれ違う想いの糸。 |
|
キャサリンはテニスの練習に励みつつも、 絵を描くことに喜びを見出しはじめていた。 |
|
絵を描くことを否定しない父親。 キャサリンの想いは、父親だけが知っていた。 しかし、父親は、ある日突然、 事故でこの世を去ってしまう。 スージーが頑なにキャサリンを テニスプレイヤーにしようとするのも、 父親への想いからだった。 |
|
ブランカをグラハム家に返す為に家を訪れるD。 レオンがDの後を追い、現れる。 「あんたが…スージー?だいぶ印象が違うな」 「現役だったのは、もう10年以上も前ですからね」 |
|
キャサリンにはテニスの才能がない、という事実を示唆するD。 スージーが激昂する。 「あの子は私とパパの子で、 世界一の母親の子で、世界一優しいパパの子で、 世界一の…!…」 しかし、キャサリンに才能がないことは、 スージーも認めていたことだった。 「わかっていました。あの子には テニスの才能がないこと… それでもあの子は必死に 期待に応えようとしてくれていたことも…」 |
|
スージーの言葉を聞いてしまったキャサリン。 「私…ダメな子だね」 「違うの、キャサリン、聞いて…」 母と子の感情と悲しみが絡まり、ぶつかり合う。 |
|
ブランカがキャサリンの手首に噛み付く。 激しい運動はもう無理だろう、と、天がつぶやく。 |
|
「そんな凶暴な犬、連れていってください!」 スージーが、思わず洩らす。 |
|
「わかりました。うちのお店でお預かりしておりますので、 お気持ちが変わりましたらいつでもいらしてください…」 Dが満足気に微笑み、ブランカを連れて去る。 |
|
母と子が語り合う。 「あなたの頑張りを認めてあげたかった…」 「私…」 「もういいの、絵まで描けなくなったら大変でしょ? 私は世界一のテニスプレイヤーと言われたけど、 今は世界一の母親にならなくちゃ…」 キャサリンが母に寄り添って、泣く。 |
|
ペットショップ。 ブランカが変化する。 「なあ伯爵、この人なんか雰囲気変わってないか?」 天が不思議そうに問う。 父親の魂を宿らせ、想いを浄化させたブランカ。 「この方は、神様のお使い、みたいなものです」 Dが天に語る。 ブランカが微笑む。 「私はあの家族が好きだった。だから噛み切ったのだ。 あの親子に絡まった、想いの糸を…」 |
|
母子がペットショップに現れる。 二人は、姿が変わってしまい、最早「ブランカ」には 見えないはずの ブランカを、見つけ出す。 「私たちの、大切な家族ですから…」 ブランカが微笑む。 二人に連れられ、ブランカが仲睦まじく、 ペットショップを後にする。 |
|