「腐りゆく天使」舞台写真

この7年もの間、考え続けていたのは、だれが私をここに埋めたのか、だ…」

記憶を失い、地中を浮遊する魂。
恋に狂い壊れゆく詩人、萩原朔太郎。
秘密を抱く、妖しい美貌の神父。
死の匂いを秘めた、美しい人妻。

宙に浮く、腐りゆく天使。

魂の記憶を揺さぶるのは、奏でられる風琴の音。

「さあ、あの教会の、裏の部屋へ…」


オープニング

「萩原君、わが詩友にして、センチメンタルの友。僕は君にあやまらねばならない…」
詩人・室生犀星の告白から始まる、ふたつの愛の物語。

地中に埋められた、記憶の無い魂と、恋に狂った詩人の告白

「僕は存在する。でも僕は生きてはいないらしい。でも、僕は存在する…」
「僕は、君の悪い畸形の犬がぼうぼうと吠える月夜を、ぼんぼりのように病み、疲れて歩いていたのだ…」


詩人・萩原朔太郎と、人妻・エレナ


「僕は、自分自身の内部に欲情が満ちてくるのにまかせた…」

仮想の世界に漂う魂。教会で懺悔するエレナと、それを迎える神父

「こわがることはありません、主はそれを赦すでしょう…」
「みな、赦してくださるから怖いのです…」

エレナの家に朔太郎がいるのを見て動揺する神父。それを目撃する魂。

「そうですとも、僕はいつだってみだらなことを考えている…」


朔太郎の心の中

「手に釘打て、足に釘打て、邪淫の戒め…」

神父の秘密の香部屋で腐りゆく天使を見た魂に口づける神父。

「この子はわたくしの仲間だ…」


魂(志郎)との出会いを夢で思い出す神父

「弟の、志郎です…」

妄想に囚われる朔太郎


「考えまいとしても、あの神父とエレナが唇を重ねている姿が浮かんできてしまうのだ…」


朔太郎にとり憑き、共に教会へ向かう魂

「オルガンの音が聴こえる…」

香部屋へ朔太郎と魂を迎えいれる神父

「さあ、おいで…」


二人の出会いと結末…すべてを思い出す魂、志郎と神父

「僕は、思い出していた…」
「わたくしは、思い出していた…」


志郎の成長とともにそっけなくってゆく神父にすがりつく志郎

「ぼく、上手じゃない?」
「そうではない、そうではないのだよ…」


自ら命を断つ志郎


「お姉さんに、言ってしまうよ…」

昇華してゆく志郎

「そうだな、あのオルガンは、また、聴きたいな…」

朔太郎とエレナの別れ

月食の夜、決別する二人。


数年後、室生犀星から届いた手紙を読む朔太郎。
そこに書いてあったのは、エレナからの手紙と、
自殺した神父の告白。

「萩原君、我々は人ではないのだ。人でありながら、人のことを書きながら、人ではないのだ。
我らは、せんちめんたるの詩人なり…」













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